生産本部
製造課
安全リーダー

「安全第一」は「人間第一」

「安全はすべてに優先する」のはものづくりの現場で揺るぎない思想である。
しかし効率化と安全の両立には悩みも多かった。発想が転換されたのは、
働きやすい職場は安全性のみならず品質も効率も上がるはずと気づいたときである。

はたらきやすい職場とはどんな職場ですか。

第一に5Sと呼ばれる整理、整頓、清掃、清潔、躾(しつけ)が行き届いていることです。現場で「ものを探す時間」はゼロが理想です。

二つ目は挨拶ですね。5Sの躾にも通じますが、挨拶がきちんとできている職場は明るいですし、縦も横も連携がスムーズです。

理想と現実のギャップはどんなところに感じますか。

この工場は製造品種が多いためラインの組み替えが多く、常時使用しない設備も残しておかないといけないことです。試作品や以前の製造ラインの材料などもなかなかすぐに捨てられません。結果、スペースを占領され5Sの妨げとなることがあります。

安全職場の確立のためにどんな施策を実行しましたか。

第一段階は冒頭の5Sと挨拶の励行です。特に作業場の隅の見にくい場所の5Sを徹底したことで、頭ではなく感覚として改善の効果を感じることができました。先日OBが見学した際、きれいになったねと声をかけていただき、大きな励みとなりました。

第二段階は本質的安全の追求です。工場内はフォークリフトが走り回ります。人とフォークの分離が基本ですが、どうしても交差する場所がでてくる。よってフォークの運転手だけでなく歩行者も注意することが必要です。指差称呼をやったつもりにならない、必ず止まるなどは周りも意識して注意しあうことで、全体の意識向上につながりました。通路の分離も一方的に決めず、仮決め期間を設けて大勢の意見を反映したことで、みんなで決めたルールとして守りやすいものになりました。

挨拶運動でコミュニケーションが円滑になったことで、不安全行動を注意しあえる土壌ができたと思います。

「安全」に対する思いを教えてください。

安全職場の実現は環境を整えることと人を教育することが両輪で、片輪だけたくさん回しても前進しません。「安全第一」は「人間第一」と気づけたことが大きな転機でした。まだ道半ばですが、この工場は前進できる体制が整ってきたと手応えを感じています。